世界的規模において、遺伝子組換え作物の栽培が省農薬に結びついたという確固たるデータが得られていないことは事実である。これは、世界的には遺伝子組換え作物の商業的な栽培の割合がそれほど大きいとは言えないことに起因している。また、遺伝子組換え作物の栽培によって、農薬散布量が減少しているアメリカでは、専門の農薬散布者が農家からの依頼によって、適切な量の農薬を散布するしくみになっているが、他の多くの国ではそのようなしくみはない。したがって、遺伝子組換え作物の普及によって、他の国でもアメリカのように省農薬が進んでいくかについては不明であり、今後の経過から、除草剤耐性の遺伝子組換え作物の栽培を行うメリット、デメリットを見極めていく必要があるのではないだろうか。
更新日: 2006年10月25日