遺伝子組換え技術について 除草剤とその除草剤耐性組換え作物とのセット販売が、企業の経済的な利益に結びついていることは事実である。これは、特定の除草剤に対してのみ抵抗性を持つような作物の開発が進んでいることに起因するものである。
しかしながら、収穫確保のために除草剤の使用が避けられない以上、特定の除草剤のみに抵抗性を持つ遺伝子を導入することは、除草剤を最大限効果的に利用する方法ではないだろうか。
また、これまでの除草剤は農作物と雑草の両方に除草効果をもつものが多く、散布の手間とコストがかかっていた。除草作業を効率化できる除草剤耐性作物が農家に大きなメリットがあることを無視するわけにはいかない。
以上のように、企業による大量の農薬と遺伝子組換え作物のセット販売は、省農薬や農業の効率化に寄与していくことが考えられる。
一方で、農薬と遺伝子組換え体のセット販売により一企業が利益を独占することに対する抵抗感は否めない。しかし、ビジネスの世界において、先行企業が有利に事業を展開していくことは世の常である。我が国の企業も、今後開発を促進し、欧米企業の独占を阻んでいくことを期待したい。
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