Q10

Q1.	バイオテクノロジーってなに？
Q2.	酒、みそ、しょうゆ、納豆もバイオテクノロジーで作るの？
Q3.	「遺伝子組換え」は、突然生まれたわけではありません。
Q4.	日本は少子化ですが、地球全体ではすでに定員オーバー！
Q5.	遺伝子組換え食品の安全性は、厳しく審査されています。
Q6.	あなたは、毎日遺伝子を食べています。
Q7.	食卓の作物は、ほとんど品種改良されています。
Q8.	クローン牛のライバルは松坂牛？
Q9.	バイオテクノロジーとワインのおいしい関係！？
Q10.	遺伝子組換え作物は、農薬を減らせます。
Q11.	『花の命は短くて』という言葉がなくなる？
Q12.	トウモロコシも自然に還るプラスチックに変身！
Q13.	遺伝子ってなに？体の中でどんな働きをしているの？
Q14.	青カビが人命救助？
Q15.	体に合った服を作るようにあなたにぴったりの治療をする『個別化医療（テーラーメイド治療）』。
Q16.	今地球は、砂漠化の危機！砂漠化防止にも、「遺伝子組換え」が期待されています。
Q17.	きれいな海を守るため、微生物が大活躍！
Q18.	「遺伝子組換え」が、よい環境を保つ農業を可能にします。
Q19.	地球温暖化を防止するバイオエネルギー。
Q20.	バイオテクノロジーは、ごみ処理名人！
Q21.	「クローン技術」ってなに？

この他に、「バイオテクノロジーQ&A」、バイオ専門家向けの「もっと知りたい人のためのバイオテクノロジーQ&A」があります。

遺伝子組換え作物は、農薬を減らせます。

遺伝子組換えトウモロコシは、農薬を大幅に減らします。

　人間や家畜が食べる農作物は自然の虫たちにとってもごちそうです。農作物を害虫や病気から守るため、農薬が使われます。害虫や病気に強い性質をもつ「遺伝子組換え作物」が、バイオテクノロジーによって誕生しています。この遺伝子組換え作物は、従来の「品種改良」で得た知恵と経験に基づき、永年の研究によって生まれました。バイオテクノロジーは、環境にも人の健康にも良い農業を実現します。バイオテクノロジーは、環境にも人の健康にも良い農業を目指します。

　

例えば遺伝子組換えトウモロコシは、トウモロコシに害を及ぼす特定の害虫にだけ毒性を示し、農薬を大幅に減らすことが出来ます。この毒性の影響を受けるのは、アルカリ性の消化液を持つ特定の害虫だけで、その他の昆虫には影響しないことが明らかにされています。酸性の消化液を持つ人間などのほ乳類には、全く影響がありません。

　この遺伝子組換えトウモロコシに組み込まれているBtは、20年以上有機作物栽培家たちによって微生物農薬として、世界中で利用されてきたもので、その安全性は多くの科学的検討により実証されています。

●「遺伝子組換え」は、「品種改良」の延長線上にあるバイオテクノロジーのひとつです。

「遺伝子組換え」に対する正確な理解を。

　新しくつくられた遺伝子組換え作物の人間や環境に対する安全性は、適切な条件のもとで科学的な方法によって多くの段階を踏んでチェックされています。
　しかし、不適切な条件でなされた安全性チェックの実験とその不正確な結果が報道され、誤解やいらぬ不安を招くこともありました。

　『米国コーネル大学の研究者が、Btトウモロコシの花粉をチョウの幼虫に食べさせると半数近くが死んだと発表』―実際の自然界では、トウモロコシの花粉はこのチョウの幼虫の餌ではありません。この実験は、研究室で大量の花粉を餌にまぶすという、自然ではありえない環境だったのです。それに加え、トウモロコシの花粉ができる時期と幼虫の生育期間は全く異なるという事実から見ても、自然環境に対する影響は心配ないとされています。この実験を行った研究者も、自然界ではありえない環境であったと語っています。遺伝子組換え作物の安全性については、慎重に正確に、常に気を配っています。

更新日： 2018年3月5日