生物の能力を
生かす技術です。
「遺伝子組換え」とは、ある生物の細胞から目的とする有用な遺伝子だけを取り出し、他の生物の細胞に入れることにより、特定の性質だけを新たに持たせる技術です。これまで人間が行ってきた、雄しべと雌しべをかけあわせる作物の品種改良の場合、すべての遺伝子が係わることになり、目的以外の性質までも持ち込まれるので、なかなか思いどおりになりませんでした。「遺伝子組換え」では、目的とする性質だけを持たせることができ、その他の性質は、元のままです。
「遺伝子組換え」と聞くと、遺伝子を好き勝手に操作していると思われる方もいるかもしれませんが、実際に遺伝子を組み込むのは生物自身です。研究者は生物の性質をよく調べ、経験と知恵を生かし、生物が有用な遺伝子を組み込める条件を整えているのです。
●「遺伝子組換え」は、「品種改良」の延長線上にある バイオテクノロジーのひとつです。
こんな夢の話があります。遺伝子組換え植物で
究極の省エネ!?
植物の葉にホタルの遺伝子を組み込んだ『光る植物の葉』が、「遺伝子組換え」によってできました。今のところ、眼には見えない遺伝子がきちんと植物に入ったという目印に使われていますが、もし、この『光る植物の葉』を街路樹に使うことができたら!…電気のいらないロマンチックな街灯ができるかもしれません。こんな究極の省エネ道路を夢見るのもバイオテクノロジーの魅力です。
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