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収量を増やし、安定供給できる遺伝子組換え作物。
地球の人口は現在74億人、毎年8,300万人ずつ増えています。このペースで増加が続けば、2050年には100億人近くになるでしょう。一方、穀類の世界総生産量は年間23億トン程。これは遺伝子組換え作物や農業技術の進歩によって、農地の単位面積当たりの生産力を最大限発揮させた結果です。これを1人当たり健康な生活を維持できる下限といわれている年間消費量で割ると、地球の定員は100億人と計算できます。しかし、この総生産量の50%は家畜の飼料として消費されるので、実際の地球の定員は50億人が限度といわれています。また、生活に必要なエネルギー消費から地球の定員を算出する方法もあります。豊かな生活を維持できる下限といわれているエネルギー消費量から計算された地球の定員は、約33億人。このように、食料から見ても、エネルギーから見ても、世界人口はすでに定員オーバーなのです。
遺伝子組換え作物やゲノム編集作物が世界の食品問題を解決することが期待されています。
地球に現存する多くの人間が、飢えや貧困に苦しんでいるといわれています。さらには、今後ますます深刻化する過剰人口。これらの問題を抱えて、人類は生きのびる方策を考えなければなりません。収量が今よりも増え、しかも安定して供給できる遺伝子組換え作物が、こうした問題を解決できるものと期待されています。
参考文献/「遺伝子組換え植物の光と影」
(学会出版センター)
● 「遺伝子組換え」は、バイオテクノロジーのひとつです。
植物もストレスに
悩んでいます。
化学肥料や農薬などに頼る近代の農業は、生産性こそ高めたものの、土地、水、生態系の破壊を招いてきました。かつて豊かだった農地も、全世界で40%以上が失われつつあるのです。さらには、乾燥、塩害、高温、低温、病虫害…。こうした環境ストレスによって、植物が本来持つ生産能力の50%以上が失われているといわれています。
現在、農薬に頼らない、悪環境でも育つ、ストレスに強い作物を開発中。「遺伝子組換え」により、それが可能になりつつあります。
参考文献/「遺伝子組換え植物の光と影」
(学会出版センター)
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更新日: 2018年3月5日
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