微生物によってつくられ、微生物の発育を阻止する物質を「抗生物質」と呼びます。
現在では制ガン作用や抗ウイルス作用などを示す物質も含んでいます。「ペニシリン」も抗生物質の一種で青かびから生まれました。
そしてペニシリンやストレプトマイシンの発見以来、抗生物質は医薬品の中で重要な位置を占めるようになりました。
日本は昔からみそや酒など、微生物を利用した発酵技術が進んでいたため、抗生物質の研究開発生産は戦後日本の得意分野となりました。梅澤濱夫博士が1957年に発見した「カナマイシン」は、医薬品として日本で初めて生産された抗生物質であり、不治の病とされていた結核に大きな効果を示しました。また、秦藤樹博士が発見した「マイトマイシン」などのガン治療に有効な薬も世界中に認知されました。以来多くの『日本発の抗生物質』が開発され、人類の健康・医療に大きな貢献をしています
現在も次々と新感染症が出現しており、世界中で新しい抗生物質の研究開発が期待されています。
伊豆諸島に古くから伝わる「くさや」は干物の一種で、江戸職人達に好まれ、独特のにおいと風味があり、保存性が良いのが特徴です。昔は塩が貴重品でしたので、魚のひらきに塩をまぶす代わりに塩水につけて干したのです。
この塩水(くさや汁)を捨てずに何度も使っているうちに、固有の細菌群が住みつき、におい、風味のもととなっています。最近の研究により、細菌が抗生物質のはたらきをもつ物質を出しているために、「くさや」の保存性が高いことがわかりました。くさやの加工にたずさわっている人は手にけがをしても化膿しにくいそうです。
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