技術紹介

研究開発項目①「バイオ資源活用促進基盤技術開発」

近年の合成生物学の進展に伴い、2016年度から2021年度に実施されたスマートセルプロジェクト(「植物等の生物を用いた高機能品生産技術の開発」事業)において、高度に機能がデザインされ、機能の発現が制御された生物細胞(=スマートセル)を創出するための各種技術が開発されました。
一方、バイオ戦略では、「2030年に世界最先端のバイオエコノミー社会を実現すること」が目標として掲げられています。この目標を達成するためには、バイオ由来製品の社会実装を加速する必要があります。
特に、従来、化石資源を元に生産されてきた様々な化合物や、バイオ戦略にもうたわれている高機能バイオ素材やバイオプラスチックを含む新たな化合物を、生物機能を用いて生産させるためには、既知の酵素、代謝経路、生物宿主では限界があるのではないかと考えています。
そこで、研究開発項目①では、新たな酵素、代謝経路、微生物・植物など、バイオ資源のさらなる拡充を目指し、様々な取り組みを行っています。

研究開発項目②「生産プロセスのバイオファウンドリ基盤技術開発」

2016年度から2021年度に実施されたスマートセルプロジェクト(「植物等の生物を用いた高機能品生産技術の開発」事業)において、高度に機能がデザインされ、機能の発現が制御された生物細胞(=スマートセル)を創出するための各種技術が開発され、これらの技術を活用した各種スマートセルの開発に成功しました。一方、これらの生産性評価は、実験室レベルでの行われたものが多く、商業生産を目指したスケールアップ検証などが必要でした。
本プロジェクトでは、実生産を想定したプロセスで生産検証を行った場合に生ずるさまざまな課題を、スマートセルプロジェクト同様、デジタル技術を活用し解決する技術を開発し、スマートセルから産業用スマートセルを構築することを目的としています。また、今後、生産プロセスの設計に必要となるであろう、環境影響評価(LCA、Life Cycle Assessment)を可能とするシミュレーターの開発にも取り組んでいます。
一方、我が国でこれまでに培われた発酵生産技術についても、従来法にとらわれない次世代の生産技術の開発及び検証を行うことを目的として、AIを活用した生産技術の開発、シングルユースシステムの開発などを行っています。
また、上記の様々な取り組みにおいて、デジタル技術の活用が期待されていますが、その推進に必要な培養支援技術や分析技術の改良にも取り組んでいます。

最終更新日:2022年11月12日 23:35