地球上に、最初の生命が誕生したのは、35億年から40億年前といわれています。それから現在まで、生物は自らの情報を子孫に伝えつづけてきました。その営みのカギを握っているのが遺伝子です。 |
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人間はどうして存在し、存在しつづけているのか。昔から多くの人がこの問題を考えてきました。とても難しい問題で、いまだに明確な答えはありません。いろいろな人がいろいろな角度から、その問いに答えようとしました。多くの宗教家、哲学者、文学者たちが、その試みを教典や論文や作品として残しています。そして現在、この問題に対する最も直接的な取り組みは、生物科学的なアプローチといえます。
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単細胞生物から、魚類や両生類、爬虫類、ほ乳類など、多様な生物が登場してきました。わたしたち人類の登場は、約20万年前のこと。生命の長い歴史に比べれば、人類はまだまだ若い生物といえます。 ある研究グループは、アフリカで誕生した一人の女性がすべての人類共通の母であると論じています。同じように、すべての生物の母は、地球に生まれた最初の生命体と考えることもできます。 仮に生物の起源が同じであるなら、その証拠がどこかに隠されているはずです。そして実は、わたしたちの体をつくり上げている細胞を見ていくと、その証拠がはっきりと現れているのです。 |
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人間のからだは、0.02ミリから0.03ミリくらいの大きさの細胞が60兆個も集まって構成されています。そのひとつひとつに、40億年の進化の"記憶"が刻まれています。それが遺伝子です。 みなさんは「顔つきがお母さんにそっくり」「背が高いのは父親ゆずりだね」などといわれたことがあるでしょう。この遺伝現象は、遺伝子が親から子へと体の情報を伝えるために起きています。 もちろん、遺伝子は人類の先祖はもとより、それよりもっと前の爬虫類や魚類、原始生命だった時代から存在しています。人類の遺伝子にも人類進化以前の情報が残されていて、他の生物と共通する遺伝子も少なくありません。遺伝子は生物のすべての情報がわかる万能の図書館ともいえるのです。 |
生命の進化 |
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