問い:生徒「『遺伝情報』が解読されたら、私の未来がすべてわかってしまうのでしょうか?」
答え:ジョー先生「いいえ、そんなことは決してありません。『遺伝情報』だけで、その人の未来を予測することはできません。」
「遺伝子」ですべてが決まるかのように言われることがあります。特殊な場合には、遺伝情報によって、重い病気にかかることが事前に発見されることもあります。
しかし、一般的には、「遺伝子」がすべて解読されても、その人の未来を予測することはできません。
人間には、先天的に遺伝子で決まる部分と、後天的に環境の影響を受けて決まる部分があるからです。まったく同じ「遺伝子」を持つ一卵性双生児の兄弟が同じ体質や性格でないように、後天的な生活環境からも、いろいろな影響を受けて生きています。
人間が生きていく上で、育つ環境・生活環境も大きな影響を与えています。
遺伝子に含まれる1人1人の情報は「個人遺伝情報」と呼ばれています。”個人”という言葉が入っているのは、遺伝子は自分にとってかけがえのない独自の情報であるということを強調するためです。
実際、遺伝子研究に使われている協力者の遺伝子も、個人のプライバシーを最大限守りながら研究が進められています。
こうした細心の注意が必要なのは、人によっては遺伝情報に「ガンになりやすい」「将来アルツハイマー病にかかりやすい」といった将来の健康にかかわる要素も含まれているからです。
そうした情報が漏れたり、無造作に使われたりすると、人権侵害などのさまざまな問題が起きてしまう危険性があります。
研究者は、個人遺伝情報を大切に扱わなければなりません。同時に、私たち自身も個人遺伝情報をかけがえのない「命の設計図」として理解し、自分の個人遺伝情報を尊重していく必要があります。
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