第8回バイオインダストリー大賞、大賞 特別賞、バイオインダストリー奨励賞の 表彰式・講演会を開催しました
「最先端の研究が世界を創る-バイオテクノロジーの新時代-」をスローガンに、(一財) バイオインダストリー協会(JBA)が2017年に創設した「バイオインダストリー大賞」と「バイオインダストリー奨励賞」。第8回目となる今年は、10月9日(水)、BioJapan 2024の会場であるパシフィコ横浜にて表彰式と講演会を執り行った。
表彰式
パシフィコ横浜の全エリアを使用して行われた大規模イベント「BioJapan 2024」の会場の一角であるノース棟にて、表彰式と講演会が開催された。第8回バイオインダストリー大賞は、名古屋工業大学大学院工学研究科 特別教授であり、オプトバイオテクノロジー研究センター長の神取秀樹氏の「ロドプシンの構造と機能の解明に基づく視覚再生への展開」に関する研究業績に贈られた。また、バイオインダストリーの発展に寄与する新たな分野を開拓し、卓越した新価値の創出を評価するために、2021年に創設された「バイオインダストリー大賞 特別賞」には、河内幾生氏を代表とする一般社団法人再生医療イノベーションフォーラムの活動グループの成果「再生医療周辺産業の国際標準開発とそれに基づく製品認証制度の構築」が選ばれた。
続いて、バイオサイエンスやバイオテクノロジーに関連する応用を指向した研究に携わる有望な若手研究者を表彰する「バイオインダストリー奨励賞」には、11人の新進気鋭の若手研究者が選出され、JBA吉田稔会長から表彰状と賞牌が授与された。なお、大賞受賞者の神取秀樹氏は、事情により登壇が難しい状況だったため、吉田会長が表彰状を読み上げた後、神取氏からの受賞の喜びと感謝のメッセージが披露された。
大賞 神取秀樹氏
(前列左より)吉田稔JBA会長、大賞 特別賞河内幾生氏、相澤益男選考委員長
(後列左より)菖蒲弘人氏、柳田豊氏
(前列左より)吉田稔JBA会長、奨励賞受賞者
(稲垣氏、小山内氏、神谷氏、川井氏、鈴木氏、中嶋氏)竹山春子選考委員長
(後列左より)大西康夫選考副委員長、奨励賞受賞者
(永野氏、藤井氏、堀氏、松井氏、三浦氏)、飯島陽子選考副委員長、津本浩平選考副委員長
大賞受賞記念講演会
表彰式の後、受賞記念講演会が行われた。大賞受賞者の神取秀樹氏は、録画された映像で講演を行い、研究の出発点は物事の根源的な部分を明らかにしたいという純粋な好奇心であったこと、そしてロドプシン機能の解明研究が急速に進み、新規治療への道や産業展開に繋がったことを語られた。また、予想を超える研究成果を追求することにより、本当に価値のある発見が生まれること、若い研究者には失敗を恐れずに挑戦し続けることを強調された。
特別賞受賞記念講演では、河内幾生氏が登壇し、再生医療の産業化に向けた具体的な施策やプロジェクト、そして基礎研究と応用研究の連携における標準と認証の重要性について、多くの示唆が語られ、100名を超える参加者が熱心に耳を傾けていた。
ご講演中の特別賞 河内氏
奨励賞ショートプレゼンテーション
講演会の最後で奨励賞受賞者によるShort-Presentationを行った。5分間という短い時間にバイオ産業への発展に繋がる基礎研究への熱い想いを凝縮したインパクトのある内容が11名の受賞者から語られた。 また、表彰式と講演会に先立ち、今年も、奨励賞受賞者の交流機会の一環として、バイオインダストリー奨励賞の受賞者を対象に座談会形式での受賞者インタビューを行った。その詳細は、機関誌「バイオサイエンスとインダストリー(B&I)」2025年No.2で報告する。
ショートプレゼンテーションの様子
講演会の後、BioJapan 2024の参加者が一堂に会するレセプション会場にて、開会に先立ち、第8回バイオインダストリー大賞、大賞特別賞、奨励賞の各受賞者がステージに登壇し、数百名の参加者から大きな拍手が贈られた。その後、受賞者祝賀懇親会が行われ、受賞者や歴代受賞者、現・前選考委員、JBA関係者らが受賞者の業績を称え、益々の研究発展を祈念する盛大な宴となった。受賞者からは、今回の受賞への感謝と、今後の研究発展や社会貢献に向けた熱い決意が語られた。