個別技術紹介

バイオ資源活用促進基盤技術

パウダー化微⽣物を⽤いた機能スクリーニングシステム

京都⼤学

技術の説明

表現形顕在化処理菌体スクリーニング技術(パウダースクリーニング技術)

  • あらかじめ培養した菌体をパウダー化して保管しているため、スクリーニング時に菌体を培養する期間が不要であり、効率的に探索できる。
  • パウダー化により膜透過性が向上し、細胞内の機能を、制限要素を排除して顕在化させ評価することができる(図)。(制限要素︓エネルギー(ATP量)、還元⼒(NAD(P)H量)、補酵素量、電⼦伝達メディエーター量、など)
  • 酵素や代謝系は菌体内に保持されており、外環境に対し安定化されている。
  • 負荷の存在下で菌体処理を施すため、あらかじめノイズレベルの弱い活性はキャンセルされ、ロバストな活性が顕在化している。そのため、産業応⽤に資するものが選抜されやすい。
  • ⽔を排除する処理が施されているため、疎⽔性化合物や溶媒に対する親和性が⾼く、疎⽔性化合物への変換活性を評価しやすい。

応用先

  • 迅速かつ簡便な微⽣物機能探索、特に、広範な微⽣物種を対象とした⼀次スクリーニング
  • 安定性の⾼い酵素、微⽣物触媒の提供
  • エネルギー(ATP)・補酵素(NADH等)の供給による活性向上・反応持続性向上、原料の多様化
  • 適度な膜透過性(細胞間物質供給)が必要な微⽣物変換プロセス、例えば、疎⽔性化合物⽣産

参考資料

パウダースクリーニング技術の活⽤事例

  • Hibi, M. et al.: Multi-enzymatic synthesis of optically pure β-hydroxy α-amino acids, Adv. Synth. Catal., 357(4), 767-774 (2015) Hibi, M. et al.: Attempt to simultaneous generation of three chiral centers in 4-hydroxyisoleucine with microbial carbonyl reductases, Bioorg. Med. Chem., 26(7), 1327-1332 (2018)

最終更新日:2022年11月12日 23:35