背景
微生物による発酵生産(バイオ生産)は、原料を化石資源に依存せず、有機物残渣を含むバイオマスからの物質生産が可能であり、カーボンリサイクルやサーキュラーエコノミーの実現に資するものづくりといえる。バイオ生産による事業化には原料調達から製品生産まで⼀貫して低コストで生産できるプロセス開発が必須であるが、原料・人件費・エネルギーコスト等の高騰、生産拠点の海外移転、人材・教育機会の減少等の要因から、日本におけるバイオものづくりそのものが減退してきている。
本研究開発の内容
関東圏バイオファウンドリ拠点(千葉県茂原市)においては、日本におけるバイオ生産プロセスのプラットフォームになること、幅広いユーザーが利⽤することを念頭に置き、できる限り多くのニーズに対応できる設備設計を目指し、開発施設を新設する。(ただし、前処理や精製については状況に応じて外部委託も検討。)
また、カルタヘナ法や環境規制等の法令を遵守し、菌体等のセキュリティを保持する、安心かつ公平な管理体制を整備・運用する。
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●新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)・Green Earth Institute(GEI):「2024年度バイオファウンドリ事業バイオ生産実証」に係る公募(6/1~6/30締切)
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とGreen Earth Institute(株)は、
本拠点において、微生物機能を活用した物質生産の実用化を促進させるため、事業化に向けた培養条件の最適化検討、最大3,000Lまでの発酵槽でのスケールアップ試験、精製プロセスの実証、耐圧容器を必要とせず高温処理可能な前処理設備によるバイオマスの前処理検討等の、バイオ生産実証の実施を希望される方を公募いたします。
本件についてのご質問等は、本バイオ生産実証を実施するGreen Earth Institute(株) ホームページのご案内ファイルをご確認ください。
NEDO
https://www.nedo.go.jp/events/EF_100162.html
Green Earth Institute(GEI) ご案内ファイル
https://gei.co.jp/ja/kobo/release/nedo_biofoundry_jisho0531.pdf
●新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)・Green Earth Institute(GEI):「カーボンリサイクル実現を加速するバイオ由来製品生産技術の開発」プロジェクト(関東圏バイオファウンドリ拠点))「バイオ生産のスケールアップ検討期間を従来の約6分の1へ短縮」プレスリリース
NEDOとGreen Earth Institute(株)(GEI)は、「関東圏バイオファウンドリ拠点」が保有する実験計画法のノウハウやスケールダウンモデルとCFD解析などを用いた生産システムにより、従来は、3年程度かかると考えられていた案件について、スケールアップ検討期間を約6分の1の半年程度で完了させることに成功しました。
今後は、幅広い分野で、微生物を活用した物質生産システムによるバイオエコノミー拡大を目指し、実証実績のある大腸菌や酵母に加え、糸状菌などの他の微生物種をはじめ、さまざまな生産物質での実証経験を増やしていきます。
なお、2025年度の実証スケジュールを計画するため、6月1日から6月30日までの期間で本拠点での実証案件募集を行います。
NEDO
https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101749.html
GEI公募ページ(バイオ生産実証一般公募のお知らせ)
https://gei.co.jp/ja/kobo/release/nedo_biofoundry_jisho0531.pdf