世界中で遺伝子研究が急速に進むいま、多種多彩な技術が実用化されつつあり、数多くの成果を生みつつあります。ここでは、ゲノム創薬や再生医療、遺伝子治療や遺伝子診断といった最先端の技術を紹介します。

遺伝子技術を応用して薬を作る
 人間の遺伝子情報を使って薬を作るゲノム創薬では、安全で効果の高い薬ができるといわれています。
 また、遺伝子診断にもとづいてひとりひとりに合った薬を提供するテーラーメイド医療も実現するでしょう。今後、さらに人間の遺伝子の働きが明らかになればゲノム創薬はいっそう進歩します。

再生医療が医療を変える
ヒトES細胞
(京都大学再生医科学研究所提供)
 再生医療*は、機能が弱まったり、失われたりした臓器や器官を再生させることを目的にした医療で、人工血管や培養皮膚も含まれます。
 その鍵を握っているのが人間のさまざまな組織や器官に変わっていく性質を持っているヒトES細胞です。現在必要な組織や細胞を人工的に作り出すための培養条件などの研究が行われています。

遺伝子診断
遺伝子治療と遺伝子診断
 遺伝子治療とは、遺伝子が原因で病気を患っている人の体内に正常な遺伝子を注入することなどによる治療法です。
 世界ではじめての遺伝子治療は、1990年、アメリカでADA欠損症という免疫が正常に働かない病気にかかった子どもに対して行われました。日本でもガンや先天性の疾患などに対して遺伝子治療が施されてきました。
 また、遺伝子から病気などの原因をさぐる遺伝子診断も進んでいます。遺伝子診断を受ければ、その人が将来かかりやすい病気を知ることもできるので、その病気にならないように生活習慣を事前に改善するなどの予防を実施することもできます。

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