HTPトランスクリプトーム解析技術
三谷 恭雄
国立研究開発法人 産業技術総合研究所
個別技術紹介
三谷 恭雄
国立研究開発法人 産業技術総合研究所
信頼性の高いトランスクリプトーム解析技術の確立のために、各種スパイクイン物質の開発を行い、まずはPJ内での検証を進めます。さらに、産業微生物への適用に向けて、各種技術開発を進めています。
多様な産業微生物に適用可能な信頼性の高いトランスクリプトーム解析技術の確立のために、スパイクイン用核酸標準物質の開発とその利用方策を検証いたします。また、そのための核酸標準物質の簡便な値付けの手法を確立します。
産業微生物では特に培養後期などに目的有用物質の生産が高くなる例が見られますが、そうした試料からいい状態でのRNA抽出は困難になります。未分解RNAのみを選択的に解析する技術を確立することでこれまで実施が難しかったトランスクリプトーム解析を可能にする技術開発を行います。
スパイクイン用核酸標準物質の開発と検証
未分解RNA選択的調整技術の適用
今日、微生物を用いた物質生産効率の向上において、RNA-Seqによるトランスクリプトーム解析は不可欠の技術要素となっています。そのため、様々なキットが入手可能となっている反面、ユーザ毎にこれらの適用可能性を確かめる必要があり、多くの場合には経験則に頼っている側面があるかと思います。また、得られたデータについても、検体間でのきちんとした定量的な比較ができなければ場合によっては結果が意味をなさなくなってしまう恐れがあります。こうした、疑問の解決にお役に立てる技術・ノウハウをご提供できるよう技術開発を進めております。
1)三谷ら, スマートセルインダストリー -微生物細胞を用いた物質生産の展望-, シーエムシー出版 (2018)
2)Noda, N. et al., Anal. Chem, 90, 10865-10871 (2018)
最終更新日:2022年11月14日 12:30