【開催日時】 2025年1月16日(木)14:00~16:30
【会場】 Zoom配信
【定員】 500人
【主催】 (一財)バイオインダストリー協会
【後援】 (公社)日本農芸化学会(予定)
【協賛】 (公社)日本生物工学会(予定)
チョコレート菓子にも使用されているセラックの細胞培養材料としての展開
水野 稔久 氏(名古屋工業大学大学院工学研究科 工学専攻 准教授)
演者らは、ラックカイガラムシが分泌する天然樹脂状物質セラックから、新規バイオマテリアルを開発することに成功した。セラックは、日本のみならず、欧米など世界各国で食品添加物や医薬品添加物として認められている身近な天然物の1つで、本研究により、わずかな化学修飾によってセラックに哺乳類細胞に対する接着性付与が可能であることを世界で初めて明らかとし、セラックのバイオマテリアルとしての新たな産業用途の開拓に成功した。接着細胞の増殖には、何某かの培養基材への接着が必須で、セラックに接着性が付与されることで、これを元にした細胞培養材料の開発が可能となった。
分子感性工学に基づいたバイオマテリアルの設計
片島 拓弥 氏(東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻 講師)
ソフトマターは、固体的な弾性と液体的な粘性の中間的な性質 (レオロジー特性) を示す。そのため、私たちはソフトマターに触れると、ベタベタやプルプルなどの独特の触感を想起する。一方で、私たちの生体組織も同様の中間的な性質を示すため、生体に接触するバイオマテリアルの設計には、材料の複雑な変形や流動の挙動を理解し、制御することが必要である。しかし、一般的なソフトマターは、種々のスケールにおいて階層的な構造を形成し、レオロジー特性に複雑に影響を及ぼす。その結果、分子―レオロジー特性―感性の相関の理解および制御は、極めて困難であった。演者は網目のトポロジーを精密制御可能なモデル粘弾性液体を用いて、本課題に取り組み、分子レベルから人間の感性にマッチした材料を精密にデザインする学問 (分子感性工学) を構築・発展させることを大きな目標としている。本講演では、臨床医の感性ニーズを満たすバイオマテリアルの設計について紹介を行う。
均一で制御可能な網目構造を持つTetraゲルの開発
酒井 崇匡 氏(東京大学大学院工学系研究科 化学生命工学専攻 教授)
ゲルは、三次元の高分子網目が溶媒を含んだ材料である。 バイオマテリアルには、生体内という過酷な環境で様々な機能が求められる。真に役に立つバイオマテリアルを創るためには、ハイドロゲルの物性の制御が不可欠である。 演者らは世界に先駆けて、均一で制御可能な網目構造を持つTetraゲルを開発した。具体的には、相互に結合可能な官能基を持つ2種類の四分岐高分子を合成し、それらからハイドロゲルを作製し、四分岐のPolyethylene glycol (PEG)からなるこのハイドロゲルをTetra-PEGゲルと名付けた。 自らの材料を知り尽くし、臨床医の要望に応えて自在にハイドロゲルをデザインし、真に役に立つ医用 ハイドロゲルを開発することを目指している。
総合討論(20分)
※講演プログラム・講師について ⇒ こちら をご参照下さい。(PDF 968KB)
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2024年1月14日(火)
※参加者名簿は主催者・講師等で共有いたします。
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(一財)バイオインダストリー協会(担当:矢田、岸本、北嶋)
E-mail:miraibio(at)jba.or.jp ((at)を@に変えてください)