【開催日時】 2025年2月19日(水) 15:00~17:00
【会場】 Zoom配信
【定員】 200人
【主催】 (一財)バイオインダストリー協会 広報部 大賞・奨励賞事務局
革新的なバイオテクノロジーが、医療のさまざまな課題を一挙に解決へと導きます。超高感度キャピラリー電気泳動による次世代創薬、メソテリウム前駆細胞を活用したマルチファンクショナルー術後癒着防止材、ヒト胎盤バリアモデルで挑む妊婦・胎児の安全性評価、そして脳傷害における人工足場マテリアルによる神経再生技術。本講演会では、バイオインダストリー奨励賞を受賞した4名の研究者が切り拓く最新成果と、その先に見据える新たな医療の可能性をご紹介します。
オープニングトーク JBA事務局
「次世代創薬を加速する超高感度キャピラリー電気泳動分析技術の開発」
川井 隆之 氏(九州大学 大学院理学研究院・准教授)
効果的な創薬のためには、薬剤や内在性の物質が体内でどのように移動して変化するかを詳細に解析する必要があります。そこで私達は、キャピラリー電気泳動と呼ばれる分析法を大幅に高感度化する独自技術を新開発しました。これにより、細胞 1 個でも薬剤から内在分子までを網羅的に解析できる超高感度分析を実現し、次世代医薬品の作用メカニズムの解明などに貢献してきました。さらに医療・創薬へと貢献していくべく、本技術の社会実装やさらなる研究開発を推進しています。
「中皮前駆細胞に着目したマルチファンクショナル術後癒着防止材の創生」
稲垣 奈都子 氏(東京大学 大学院工学系研究科・助教)
原発性肝がん・転移性肝がんに対する治療法の中でも「繰り返し肝切除」が生存期間の延長や根治を期待しうる方法として、その有効性が広く認められている。しかしながら、「繰り返し肝切除」の問題点として、「術後癒着」と「残存肝の再生能低下」という2つの問題点が挙げられる。本研究を通して、中皮前駆細胞に着目し、同時に2つの問題点を解決することができる中皮前駆細胞シートを開発した。加えて、iPS 細胞からの分化誘導法も確立し、臨床応用実現化へと精力的に研究を行っている。
「医薬品の胎児への移行性評価に資するヒト胎盤バリアモデルの開発」
堀 武志 氏(東京科学大学 生体材料工学研究所・助教)
妊婦に対する適切な薬物治療は次世代の健康を確保する上で重要です。しかし、妊婦が摂取した薬物の胎児への移行量を正確に評価することは困難です。物質の胎児への移行量を予測するためには、物質の胎盤透過性を調べる必要があります。胎盤は動物種により構造が異なるため、ヒトの細胞・組織に基づいた知見が必要です。我々は最近、ヒト胎盤幹細胞を用いてヒトの胎盤絨毛構造を模倣したヒト胎盤バリアモデルを開発しました。このモデルを使用することにより、物質のヒト胎盤透過性を調べることが可能になり、胎児への副作用を抑えた医薬品の開発に繋がるものと期待されます。
「脳傷害における人工足場マテリアルを用いた神経再生・脳機能回復促進方法の開発」
中嶋 智佳子 氏(名古屋大学 大学院理学研究科・助教)
生後の脳でも神経幹細胞は存在していて、新しい神経細胞ニューロン がつくられます。脳梗塞・脳外傷による傷害を受けると、ニューロンは傷害部へ移動し、損傷により失われたニューロンを補おうとします。しかし、損傷した脳内は移動しにくい環境であり、十分な機能回復には至りません。私たちはバイオマテリアルを損傷した脳内へ移植することで、ニューロンの移動を促進させ、神経再生と運動機能の回復を可能としました。難治性脳疾患に対する応用を目指し、神経再生法の開発を進めています。
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2025年2月17日(月)
※参加者名簿は主催者・講師等で共有いたします。
※参加登録完了後に申込完了メール、前日にリマインドメールを送信いたします。
※セミナーURLは申込完了メールとリマインドメールメールに添付いたします。
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(一財)バイオインダストリー協会(担当:近藤、北清)
E-mail:jba.award(at)jba.or.jp ((at)を@に変えてください)