【開催日時】 2023年4月4日(火)15:00~17:05
【会場】 Zoom配信
【定員】 200人
【主催】 (一財)バイオインダストリー協会 大賞・奨励賞事務局
生体メカニズムを解明し、その知見を基に未解決や未充足の課題に果敢に挑戦して世の中の流れを変えていく。最近起きているバイオものづくり革命は産業革命に匹敵するほどの規模と勢いがある。
2022年度第6回バイオインダストリー奨励賞受賞者3名の先生から、世界初の2光子顕微鏡を用いた 前人未踏の神経ネットワーク生理学領域の開拓、デジタル技術を発展させたシミュレーション技術の 活用で新規モダリティの製造プロセスをデザイン、魚類の免疫メカニズムの解明から食糧危機の時代に備えた画期的な養殖技術の展開など、人類が待ち望む様々な課題解決に向けた最先端の研究成果と未来への展開を紹介いただく。
オープニングトーク JBA事務局
「抗体・幹細胞製造プロセスのデジタル設計を支援するシミュレーション技術」
杉山 弘和 氏(東京大学大学院工学系研究科 教授)
製薬産業では、低分子から抗体、幹細胞へとモダリティが展開し、従来にない製造技術の開発と実装が求められている。一般に、多数の選択肢の中から最適なものを迅速に特定するためには、デジタル技術が効果を発揮する。製薬分野、とりわけ新規モダリティの製造プロセスについても、対象の新しさや現象の複雑さといった課題を乗り越えて、デジタル技術を発展させていく必要がある。 発表者は、抗体医薬品や幹細胞の製造プロセスを対象に、プロセス設計を支援するシミュレーション技術を開発してきた。ヒトiPS細胞の凍結プロセス設計や抗体医薬品製造プロセスの評価・意思決定支援に関する研究例を紹介しつつ、製薬分野におけるシミュレーション技術の役割について考える。
「広視野・高速・高解像度2光子顕微鏡の開発と生体脳への応用」
村山 正宜 氏((国研)理化学研究所 脳神経科学研究センター チームリーダー)
生命メカニズムを解明するためには、その構成要素の働きを個別に解明するだけでは不十分であり、要素間の相互作用の解明が必須です。私たちは低倍率かつ高開口数を満たす大型対物レンズ、大口径・高感度・高出力光 検出器を開発することで、広視野・高解像度・高速撮像を同時に満たす世界初の2光子顕微鏡を開発しました。生きたマウスの脳から世界最大規模・最速のイメージングを行い、細胞レベルでのネットワーク解析を行った結果、脳はハブ細胞を含むエコなスモールワールドネットワークであることを発見しました。本顕微鏡を用いることで、神経科学における前人未踏な神経ネットワーク生理学領域を開拓できます。さらに本顕微鏡は、その光学特性が非常に優れているため、顕微鏡を研究ツールとして利用する神経科学以外の分野においても、今後の研究アプローチを変革させうる、日本発のゲームチェンジャーになると期待されます。
「魚類特有のIgT抗体による粘膜免疫制御機構の解明」
瀧澤 文雄 氏(福井県立大学 海洋生物資源学部 准教授)
養殖魚の魚病対策として、ワクチン投与による予防が推進されています。 ワクチン投与により誘導される抗体は、病原体などの異物の侵入防止や体内からの排除に関わっています。魚類のエラや皮膚などの粘膜組織は病原体の主な侵入経路にですが、どのような抗体が病原体の感染を防いでいるか不明でした。そこで我々は、魚類特有のIgT (Tは真骨魚類Teleost由来)抗体に 着目し、ニジマスのIgMおよびIgT抗体の機能を比較し、研究を行ってきました。本セミナーでは、奨励賞の受賞研究となったIgTの研究成果と水産用ワクチンへの展開について紹介いたします。
クロージングトーク
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2023年4月2日(日)
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※セミナーURLは申込完了メールとリマインドメールメールに添付いたします。
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(一財)バイオインダストリー協会(担当:近藤、北清)
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