機関誌・ライブラリ

最新号の目次

2024 VOL.82 NO.6

巻頭言

・AIには作成不可能な記事を目指して(大利 徹)

目で見るバイオ

・生細胞における膜脂質秩序の長時間リアルタイムイメージング(田中拓哉・小西玄一)

総説

・昆虫制御剤ネオニコチノイドによる多様なアセチルコリン受容体の活性調節機構(松田一彦)

要旨
昆虫制御剤ネオニコチノイドは昆虫のニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)に作用し、害虫を制御する。この一言だけで片付けられるほど本制御剤の標的解明研究は単純ではない。それは、nAChRが多くのサブタイプを有し、ネオニコチノイドごとにnAChRのサブタイプに対する作用様式が異なるためである。そこに種選択性の問題が加わり、本剤の標的解明研究はいっそう複雑化する。その状況は、長年にわたり誰もできなかった昆虫のnAChRの機能的発現を達成したことにより一挙に顕在化した。本稿では、そこに至るまでの経緯とともに、ブレークスルーの果てにみえてきたnAChRのしなやかさ「レジリエンス」について紹介する。

・超好熱性アーキアで見いだされた糖質・核酸・アミノ酸の特異な代謝(道盛裕太・跡見晴幸)

要旨
アーキアは真核生物や細菌には見られない生体分子や代謝機構を有し、新奇構造を有する酵素やいままでに認識されていなかった反応を触媒する酵素が数多く同定されている。本稿では超好熱性アーキアに注目し、糖質・核酸・アミノ酸の異化代謝を中心に、アーキアに特徴的な酵素や代謝様式について紹介する。

トピックス

・大気中の窒素を利用した微生物によるL-グルタミン酸生産(吉留大輔・日髙真誠・古園さおり・西山 真)

・コリネ菌のヌクレオチド排出輸送体の同定と生産株における高活性化機構(黄瀬啓太・篠田恵子・川崎 寿)

・海洋深層水から見つかったポリプロピレン分解細菌(寺本真紀)

・分子標的治療薬によって誘導される肺がんの薬剤耐性獲得機構(磯崎英子)

・ワキガ起因菌の同定からファージ由来特異的溶菌酵素の開発へ(植松未帆・渡邊美樹・植松 智)

・人工ファージを用いて標的微生物だけを減少させる菌叢改変法(岡野憲司)

・時空間オミクス解析が明らかにした枯草菌コロニー内の不均一化と協力関係(納庄一樹)

・植物の生育における土壌微生物と品種の相性(番場 大・佐藤修正)

・生細胞の膜脂質秩序変化をリアルタイム観察できる蛍光色素の開発(田中拓哉・小西玄一)

バイオの窓

・就職活動と日本の研究力(栗原達夫)

産業と行政

バイオものづくりプロジェクト(6)
・バイオものづくり技術 麹菌 プラットフォームの開発(阿部敬悦・加藤好一・堀口博文)

バイオものづくりプロジェクト(7)
・バイオファウンドリにおける微生物培地最適化ツール開発(小西正朗)

バイオコミュニティの現在(6)
・沖縄バイオコミュティの目指す姿(渡嘉敷唯章)
・ひろしまバイオDXコミュニティが拓く未来(奥原啓輔)

・バイオサーファクタントを取り巻く世界の動き(森田友岳)

・ワクチン開発と感染症予防の歴史 ―BIKENの90年―(中村(片岡)周子・阿部圭一)

・標準・適合性評価をバイオ産業で活用、チームNITE(福田 淳・清田純也・紙野 圭)

特集

この素材!この技術!が世の流れを変えた!
・形質細胞様樹状細胞を直接活性化するプラズマ乳酸菌の発見 ~その研究開発と社会実装~(平田啓一)

第8回バイオインダストリー大賞
・第8回バイオインダストリー大賞 受賞者インタビュー

第8回バイオインダストリー奨励賞
・第8回バイオインダストリー奨励賞11人のメッセージ


・バイオインダストリー大賞・奨励賞 選考委員長コメント

JBAニュース

・台湾南部サイエンスパーク訪問およびBIO Asia-Taiwan 2024参加報告

・バイオものづくりフォーラム創設に向けて

・JBA バイオリーダーズ研修2024

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