2024 VOL.82 NO.3
巻頭言
・グリーンバイオの未来を切り拓こう ~Well-beingを大事にした人々が集い、力強く邁進しよう~(石井正治)
目で見るバイオ
・緑色蛍光タンパク質から赤色蛍光タンパク質を創り出す(今村博臣・今田勝巳)
・超解像赤外分光顕微鏡によりバイオフィルムの成分を非標識で可視化(加藤 遼・前田海成)
解説
・植物におけるpiggyBacトランスポゾンを用いた正確なDNA断片除去技術(加星光子・佐々木克友・土岐精一・横井彩子)
要旨
痕跡を残さずに転移するpiggyBacトランスポゾンを用いた正確な外来遺伝子除去技術をイネで確立し、高次倍数性かつ栄養繁殖性のキクへの適用に成功した。本技術は、ゲノム編集育種の実用化を加速すると期待される。
トピックス
・微生物を用いた物質生産の原料となり得る糖の効率的化学合成(田畑 裕・加藤創一郎・中西周次)
・転写リプログラミングによる植物でのステロイド大量合成(庄司 翼)
・コンパクトで強力なゲノム編集用Casタンパク質の開発(星野 温・中川綾哉・濡木 理)
・放線菌由来新規有機ヒ素化合物の発見とその生合成経路(星野翔太郎・尾仲宏康)
・根圏細菌によるトマトの毒性物質トマチンの分解様式(中安 大・高松恭子・杉山暁史)
・パーキンソン病の原因となる細胞外α-シヌクレインオリゴマーによる神経細胞傷害機序(井藤尚仁・小野賢二郎)
・超解像赤外分光顕微鏡による藍藻バイオフィルム成分の非標識イメージング(加藤 遼・前田海成)
・タンパク質のフォールディング過程を正確に予測する方法(大岡紘治・新井宗仁)
・KRAS遺伝子のサイレント変異が拓いた核酸医薬によるがん治療法の開発(小林祥久)
・酵素を利用した高収率アルキルα-グルコシド生産法(石井義孝・曹 偉・桐村光太郎)
・チオペプチド修飾酵素の人工基質反応性を予測する深層学習モデル(後藤佑樹・Jun Shi Chang・Alexander A. Vinogradov・菅 裕明)
バイオの窓
・バイオ医薬品製造プロセス開発とものづくり(上永吉剛志)
産業と行政
ヒトゲノム解読20周年記念(4)
・トランスクリプトーム解析の進化 ~20年を振り返って(鈴木 穣)
バイオコミュニティの現在(3)
・Greater Tokyo Biocommunity(GTB)バイオイノベーション推進拠点(後半)(小沢修一・岩船 広・渡辺敬介・飯田卓也)
AMED「RNA標的創薬技術開発事業」から創薬を目指して(6)
・核酸医薬の規制整備と品質・安全性評価の考え方(井上貴雄・吉田徳幸・内田安則)
バイオものづくりプロジェクト(1)
・カーボンリサイクル実現を加速する「バイオものづくり」関連技術開発(峯岸芙有子)
特集
この素材!この技術!が世の流れを変えた!
・ビフィズス菌生菌末の製造技術および応用製品の開発(阿部文明・宮内浩文・岩淵紀介)
第7回バイオインダストリー奨励賞 受賞業績
・再生医療や創薬のための毛包オルガノイドの構築(景山達斗)
・電気化学活性を持つ微生物の生理・生態学的解析とその応用利用(加藤創一郎)
・下水中ウイルスの検出技術基盤の確立とCOVID-19下水疫学調査の実用化(北島正章)
・腸内微小環境の変動を介して腸炎を抑制する食物繊維の探索(古澤之裕)
JBAニュース
バイオエンジニアリング研究会 オープンセミナー
・「製造業の国内回帰とサプライチェーン対策のために何が必要か」
・2023年度(令和5年度) 第2回全国バイオコミュニティ連絡会・バイオコミュニティ推進官民連携プラットフォーム合同会議